この記事では、クライム・サスペンスドラマ「ハッピー・バレー～復讐の町～（シーズン１）」のあらすじとレビュー・感想をネタバレなしでご紹介します。
「このドラマはおもしろいの？」「見る価値はあるの？」と、視聴を迷っているあなたへ。
最後まで読めば、きっとあなたもこのドラマを見たくなるはずです。
物語の舞台はイギリスのウェスト・ヨークシャー州。
サラ・ランカシャーさん演じる主人公キャサリン・ケイウッドは、地元警察署で巡査部長を務めています。
彼女はふたりの子どもを持つ、離婚歴のある女性警官。
8年前に娘が自死するという深い悲しみを抱えながら、今も立ち直ろうとしています。
そんな中で起こる誘拐事件。
キャサリンは娘のことを事件に重ね、犯人探しに奔走します。
複雑でスリリングな脚本、主人公を演じたサラ・ランカシャーさんの驚くべき演技。
誰もが目を離すことができなくなるでしょう。
さあ、ドラマ「ハッピー・バレー～復讐の町～（シーズン１）」について、今日もホリサゲていきましょう！
「ハッピー・バレー～復讐の町～（シーズン１）」基本情報
Someone’s messed with the wrong woman. #HappyValley pic.twitter.com/RjsOBCWleI
— BBC One (@BBCOne) June 3, 2014
「ハッピー・バレー～復讐の町～（シーズン１）」概要
クライムサスペンスドラマ「ハッピー・バレー～復讐の町～（シーズン１）」は、2014年4月29日よりBBC One（イギリス）で放送が始まったドラマシリーズです。
その人気の高さから、第２シリーズ・第３シリーズと続き、2015年BAFTA最優秀ドラマシリーズ賞を複数回受賞しています。
タイトルにもなっている「ハッピー・バレー」とは、物語の舞台とされている実在の町カルダーバレーの皮肉な呼び名。
実際には違法薬物が蔓延している地域と言われており、本作でも登場人物がフェンタニルを売買する様子が描かれます。
そんな町にキャサリンの娘を死に追いやった人物が流れてきたことで、キャサリンの心をますます傷つけていきました。
警官として、ひとりの母親として、そして幼い子どもの将来を心配する年長者として。
キャサリンの苦悩は、誘拐事件の犯人探しに集約されていくのです。
そしてそれは亡くなった娘レベッカへの思い出と悲しみにリンクし、キャサリンの肉体的・精神的ダメージが視聴者に示されます。
しかしそこからキャサリンの強さと愛情深さを、改めて知ることができるはずです。
「ハッピー・バレー～復讐の町～（シーズン１）」キャスト
キャサリン・ケイウッド（演：サラ・ランカシャー）
本作の主人公、ウェスト・ヨークシャー州カルダーバレーに住む警官。
８年前に自死した娘レベッカが残した男の子ライアン、薬物依存症の妹クレアとの三人暮らし。
レベッカの死から立ち直ろうと、今も苦悩しています。
ようやく自分の人生をコントロールできるようになったかと思われた矢先、レベッカを死に追いやった人物が現れ激しく動揺します。
キャサリンの家族
ライアン（演：リース・コナー）
キャサリンの孫、レベッカの忘れ形見。
現在小学生ですが問題行動が目立ち、キャサリンを悩ませています。
クレア・カートライト（演：シボーン・フィネラン）
キャサリンの妹、薬物依存症。
リチャード（演：デレク・リデル）
キャサリンの元夫、地元新聞社の記者。
レベッカのことがあってから夫婦の仲がギクシャクしだし、現在は別居中。
時間が合えば、いっしょに食事をしたりしています。
ダニエル（演：カール・デイヴィス）
キャサリンとリチャードの息子。
感情のすれ違いから、疎遠になっています。
ギャラガー家
ネビソン（演：ジョージ・コスティガン）
中堅企業の会社社長。
ケヴィンの頑固な上司であり、ケヴィンの亡き父親のビジネスパートナーでした。
妻ヘレンを心配し、長期休暇を取ろうと思っています。
アン（演：チャーリー・マーフィー）
ネビソンの娘。
ヘレン（演：ジル・ベイカー）
ネビソンの妻、アンの母親。
末期の肝臓がんと診断され、体調が非常に悪化しています。
ウェザリル家
ケヴィン（演：スティーブ・ペンバートン）
ネビソンの会社で会計士として働くサラリーマン。
父親同士が親友でありビジネスパートナーだったことから、ネビソンとは単なる雇用主と従業員以上の関係だと思っています。
ジェニー（演：ジュリア・フォード）
ケヴィンの妻。
オートキャンプ場関係者
アシュリー・カウギル（演：ジョー・アームストロング）
ケヴィンがよくレンタルしている、オートキャンプ場のオーナー。
実は裏で、ドラッグの密売をしています。
ルイス・ウィッピー（演：アダム・ロング）
オートキャンプ場の従業員、アシュリーの裏稼業も手伝っています。
トミー・リー・ルイス（演：ジェームズ・ノートン）
アシュリーに雇われた、過去に服役歴のある人物。
警察関係者
カースティン・マカスキル（演：ソフィー・ランドル）
キャサリンの同僚警官。
「ハッピー・バレー～復讐の町～（シーズン１）」スタッフ
エグゼクティブプロデューサー
サリー・ウェインライト、マシュー・リード、ニコラ・シンドラー 他
プロデューサー
カレン・ルイス、ジョナサン・レザー
監督
ユーロ・リン、サリー・ウェインライト、ティム・ファイウェル
脚本
サリー・ウェインライト
撮影
イワン・ストラスバーグ
音楽
ベン・フォスター
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「ハッピー・バレー～復讐の町～（シーズン１）」の全話あらすじ
Sarah Lancashire patrols the mean streets of #HappyValley, starting tonight at 9pm. Don’t expect many smiles. pic.twitter.com/mqJ1yqZAMK
— BBC One (@BBCOne) April 29, 2014
未視聴の方が安心して読み進め、興味を深められるよう配慮しています。
第１話
イングランド北部に位置する通称“ハッピー・バレー”。
キャサリン・ケイウッドは、ここの地元警察署で巡査部長を務める女性警官です。
キャサリンは８年前に娘レベッカを亡くし、彼女が残した男の子ライアンの面倒を見ています。
レベッカは自ら命を絶ち、キャサリンはその悲しみから立ち直ろうと今ももがいていました。
そんなある日キャサリンは、レベッカを死に追いやった人物が舞い戻ったことを聞き、激しく動揺します。
一方娘が私立の学校に進学することになったケヴィン・ウェザリルは、昇給を求めて、社長のネビソン・ギャラガーのもとを訪れていました。
しかしネビソンは、ケヴィンを特別扱いするわけにはいかないと、これを拒否。
ケヴィンの心の中に、恐ろしい計画が沸き上がります。
第２話
ネビソンの話を聞いたケヴィンは、激しく後悔します。
しかし彼はすでに、悪魔の取引を済ませてしまいました。
一方キャサリンは、レベッカの死の原因となった人物の居場所の情報を入手します。
そんな中ネビソンの娘アンが誘拐され、病気で臥せっているヘレンは大きなショックに見舞われました。
第３話
マカスキル巡査は、スピード違反のバンを止め、ふたりの男たちに職務質問をしようとします。
しかしそれは、致命的なミスとなってしまいました。
一方アンが誘拐されたギャラガー家では、警察に通報するかどうかで口論となっています。
そんな中監禁されているアンは、犯人のひとりからちょっとした思いやりを示されていましたが、彼女には何の助けにもなりませんでした。
キャサリンは事態を受け入れようと努力していましたが、責任は自分にあると自己嫌悪に陥っています。
そしてそれは、彼女の娘レベッカの死をフラッシュバックさせるのでした。
そんなおりキャサリンは、アンが監禁されていたわずかな証拠を発見します。
第４話
アンを「処分」するように命じられた誘拐犯のひとりは、その命令に従う代わりに母親の家の地下室にアンをかくまうことにします。
その頃ギャラガー夫妻は、ようやくアンの誘拐について警察に通報しますが、キャサリンはアンが生きて解放される可能性は低いと通告します。
一方ロイスはこの町に自分の血を引く子どもがいることを知り、学校で待ち伏せすることに。
第５話
キャサリンはアン救出にあたって大ケガを負い、警察は警察官殺害未遂事件として扱うことに。
誘拐犯のひとりは、アンが保護されたことを知って仲間を裏切り逃亡犯となりました。
またアン誘拐に関わったとして、ケヴィンに容疑がかけられます。
そんな中入院中のキャサリンは、監禁されていたアンが受けた虐待を聞かされ、本人の代わりにネビソンに話すことを申し出ます。
一方逃亡中のアン誘拐犯は、共犯者たちの間でいさかいが起きて新たな事件が勃発していました。
第６話
キャサリンはネビソンの職場を訪れ、アンが受けた虐待について話します。
激しいショックを受けたネビソンでしたが、この件について闘病中のヘレンが知る必要はないというキャサリンの意見に同意します。
そんな中クレアが計画したキャサリンの誕生日パーティーが開かれ、家族や友人たちが招待されました。
しかしキャサリンの息子ダニエルの発言により、その場にいた全員の緊張が高まります。
一方証人保護プログラムに入る直前のカウギルが殺害され、警察は麻薬取引がらみの殺人事件と想定します。
そして学校から自転車に乗ってひとりで帰宅するライアンを、付け狙う人物がいました。
その後クレアは友人の母親から、ライアンについての驚きの情報を聞かされます。
翌日ライアンを巻き込んだ、非道な計画が実行されようとしています。
2025年9月29日時点の情報です。
配信・放送・レンタルが終了している場合がありますので、サイトにてお確かめください。
からのお申込みになります。「ハッピー・バレー～復讐の町～（シーズン１）」視聴後のレビュー
“Come inside, I’m too old to start sh**ging in cars.” Wise move. It’s also bad for the suspension. #HappyValley pic.twitter.com/1uskVfWqzj
— BBC One (@BBCOne) April 29, 2014
イギリスの片田舎、ウェスト・ヨークシャー。
ひと目見た感じでは何の変哲もない町に見えるこの場所が、こんなにも人間の“リアル”を描き出す舞台になるのですね。
まるで静かな沼のように、表面は穏やかで、でもその奥底には重く沈殿した苦しみ、怒り、愛、そして絶望が見え隠れしています。
クライムサスペンスドラマ「ハッピー・バレー～復讐の町～（シーズン１）」の最大の魅力は、「感情のグラデーション」をこんなにも丁寧に描いた作品は他にない、と思えるほどの繊細さにあると言えます。
深すぎる“リアル”
主人公のキャサリン・ケイウッドは、ただの「正義感の強い女性警官」ではありません。
彼女は傷を抱えていて、怒りを抱えていて、それでも誰かのために動き続けています。
彼女の表情、彼女の目線、彼女の声のトーンひとつひとつに、その人生の重さがにじみ出ているのがわかるのです。
そして、演じるサラ・ランカシャーさんの演技は圧巻。
正直に言うと、「演技」という言葉ではもはや足りないほどです。
彼女が画面に映るたびに、観ているこちら側の呼吸が自然と浅くなります。
彼女の中に渦巻く感情が、観ている側にもじわじわと侵食してくるからです。
感情を押し殺して職務をまっとうする姿も、思いがけず感情が噴き出してしまう瞬間も、「あぁ、これがリアルな人間だ」と思わせてくれます。
派手なアクションや壮大なスケールではなく、人間の“ありのまま”で、ここまで引き込まれる作品はそう多くないと筆者は思います。
本作では誘拐や暴力、麻薬や家庭崩壊といった重い題材も扱っています。
でも、ただの「事件解決ドラマ」ではないのです。
このドラマは犯罪を“背景”にして、その中で生きる人たちの“選択”や“葛藤”に深く迫っていきます。
たとえば、「間違った行動をしたのは、誰のせいなのか？」
あるいは、「誰かを守るためなら、どこまでしても許されるのか？」
そんな問いを、声高に叫ぶのではなく、静かに私たちの胸に置いてくるのです。
ほんの少しのボタンのかけ違いや、思わぬ偶然が、誰かの人生を変えてしまうという現実。
そんな不条理さと、それでも生きようとする人間のたくましさが、本作にはぎゅっと詰まっているように感じます。
「これは本当にフィクションか？」と思わせるストーリー展開
このドラマを観ていると、ふと我に返って、こう思ってしまいます。
「これはフィクションだよね？」と。
しかし画面の中で起こっている出来事や人間関係の描写があまりにも現実味を帯びていて、まるで自分の町のどこかでも起こっていそうな感覚に陥ります。
きっとそれは、脚本家サリー・ウェインライト氏の描写力の賜物でもあるし、ロケーションや演出のリアリティも大きいのでしょう。
決して美化されていない町の風景、疲れ切ったような登場人物たちの表情、そしてそこに時おり差し込むかすかな希望の光――
この「現実と地続きの世界観」が、ドラマの説得力を飛躍的に高めているのです。
「ハッピー・バレー～復讐の町～（シーズン１）」みんなの感想は？
『ハッピー・バレー復讐の町』S1&2各全6話アマプラで一気見すごーく面白かった！『ブロードチャーチ』視聴の方におすすめされてたけどなぜか未見だったもっと早く見ればよかった！🇬🇧でも大ヒットで昨年S3で完結していて早く見たい！傷だらけ巡査部長キャサリンが最高。孫ライアンの成長にも注目。 pic.twitter.com/Lu7GvaJugv
— eko (@ekochanpe) June 13, 2024
ハッピー･バレー 復讐の町 S1完走。前半は陰鬱な胸糞展開が続き辛かったけど、後半の怒涛の巻き返しが凄かった！素人っぽい誘拐犯はじめ登場人物がとにかくリアルで、歯車が狂っていき緊張感が途切れないサスペンスと深い人間ドラマを堪能。サラ・ランカシャーの演技は本当に素晴らしい。 #海外ドラマ pic.twitter.com/sh7eK3SWXB
— ドスティ (@drinkbarkamo) November 4, 2021
ハッピーバレー復讐の町s1完走。だらだらせずスッキリまとまった話で映画一本見たような爽快感。エグい表現もあるけど、話は面白い。些細なことがきっかけでどんどん泥沼にハマっていく話。気弱で自己中な会計士が思い付いた誘拐作戦が思わぬ展開に。なんだかんだで一人のサイコパスに振り回される。
— みき (@Melody2me) April 22, 2020
「ハッピー・バレー～復讐の町～（シーズン１）」についてまとめ
We can confirm that Sally Wainwright’s #HappyValley will return to @BBCOne for a second series. pic.twitter.com/SdJpw4xvPP
— BBC One (@BBCOne) August 18, 2014
ドラマ「ハッピー・バレー」というタイトルを最初に聞いたとき、あなたは何を想像したでしょうか。
ほのぼのした小さな町？心温まる人間ドラマ？
実際は、そのイメージから大きくかけ離れています。
しかしドラマを観終わったあとに感じるのは、確かに「希望」です。
絶望の中にあっても、誰かのために立ち上がることはできる。
たとえ何も解決していなくても、「明日を迎える」ということに意味がある。
本作は、そんな小さな「勇気」の物語でもあるのです。
観る人によって、心に残るシーンは違うでしょう。
しかしきっと誰もが、キャサリンの背中から「人生を投げ出さない強さ」を感じるはずです。
それは派手なヒーローではなく、日常の中で静かに戦う人間の姿。
それが、このドラマの核だと思います。
もしあなたが今、「次に観る海外ドラマ、何にしようかな」と考えているなら、ぜひこの作品を選んでほしい。
キャサリンの生き様を、あなた自身の人生にも少しだけ重ねてみてほしいと、心から願っています。
2025年9月29日時点の情報です。
配信・放送・レンタルが終了している場合がありますので、サイトにてお確かめください。
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