先日行われた、ジャパンカップ2020。
現役最強馬アーモンドアイ、父子で無敗で三冠を制したコントレイル、史上初の無敗牝馬三冠馬デアリングタクト。
真の王者を決定するレースを、手に汗握って観戦していた人も多いのでは。
まるで、三頭のために開催されたようなレースでしたね。
そんななか、15頭立ての13番人気で出走。
レース結果も、14着の馬から大差を付けられひっそりと15着でゴールした「ヨシオ」。
彼を覚えていますか?
注目度は低かったかもしれませんが、実は「ヨシオ」ってすごい馬なんです。
今回は、競走馬「ヨシオ」についてホリサゲます!
「ヨシオ」ってどんな馬なの?
【宝塚記念】ヨシオ疲れ取れず回避、今後は放牧で次走は未定#ヨシオ #宝塚記念 #keiba https://t.co/ECpxFN5Ns3
— 日刊スポーツ・極ウマ (@goku_uma) June 23, 2021
「ヨシオ」が生まれたところ
「ヨシオ」の父はヨハネスブルグ、母はフローラルホーム。
2013年5月9日、北海道日高地方の浦河町で生まれた牡馬です。
生産牧場は、日本中央競馬界日高育成牧場。
そう、「ヨシオ」は競馬を主催するJRAが自ら生産した競走馬なのです。
日高育成牧場は「若馬の育成」「繁殖の研究」を行い、世界に通用する競走馬を生産するところ。
科学的データに基づき、効率的な繁殖管理と飼育・育成を調査研究しています。
ここで生まれた「ヨシオ」は、2015年JRAブリーズアップセールに上場され486万円で取引されました。
JRAブリーズアップセール(JRA育成馬調教セール)とは、日本中央競馬会(JRA)が主催する競走馬のセリである。
引用元:Wikipedia ブリーズアップセール
「ヨシオ」の馬主と調教師
セールで落札された「ヨシオ」。
彼を購入したのは仲山 誉志夫さん。
「ヨシオ」の馬名は、この最初のオーナー「ナカヤマ ヨシオさん」からのものでした。
仲山さんが馬主になって、初めて所有した馬が「ヨシオ」。
ご自分の名前をそのまま付けたことからも、期待が大きかったことがわかります。
ところがその仲山さんは、2018年に突然の事故で亡くなられてしまいました。
現在の馬主・岩見 裕輔さんは、その後「ヨシオ」を引き取った人です。
そして調教師は、栗東の森 秀行さん。
地方・海外問わず、積極的にレースを使う「攻めのきゅう舎」です。
「ヨシオ」がジャパンカップに出走するまで
「ヨシオ」のこれまでの成績
2015年7月、雨の函館の芝1200mでデビュー戦を迎えた「ヨシオ」。
初戦は芝でしたが、その後ダートに路線変更して2016年1月の中京ダート1200mでようやく勝ち上がります。
初勝利を挙げるまでに、実に11戦を費やしました。
それからは積極的に地方競馬にも参戦、現在まで69戦して6勝を挙げています。
「ヨシオ」ジャパンカップをめざす!
最強馬アーモンドアイの引退レースというだけでも、世間の注目を集めたジャパンカップ2020。
競馬史上、最高のレースとなるのは明らかでした。
ところがここに参戦を表明したのが、ダートでしか勝ち鞍のない「ヨシオ」。
実は一部のファンの間では、大きく盛り上がっていました。
と言うのも、「ヨシオ」が所属する森 秀行きゅう舎は、意表を突くようなレースの使い方をするところ。
「ヨシオ」参戦にも、何か勝算があるのかもしれないという期待があったからです。
しかし、ジャパンカップは11着以下の馬にも特別出走奨励金が出るレース。
「ヨシオ」はその奨励金目当てではないか、との心無いウワサまでたってしまいました。
「ヨシオ」はオーナーの心を背負っている!
そんな風潮を真っ向から否定したのが、仲山 誉志夫さんと親しかった西山 茂行さんです。
西山さんと言えば、「ニシノ」「セイウン」の冠名で有名な一流オーナー。
国際的に強い馬が集まるジャパンカップに、自分の馬を出走させることは馬主の夢。
「ヨシオ」はめぐってきたチャンスに、今のオーナーと前のオーナー二人分の夢を背負って参加しました。
7歳になり69戦も戦い続けてきた「ヨシオ」には、根強いファンがたくさんいます。
心から楽しんで応援したファンも、多かったはずです。
そしてそれが、「競馬の魅力」なのかもしれませんね。
ならばスポーツが必ずしも勝利至上主義ではなく、それぞれのファンが自分の応援したいチームや選手を自由に応援しているように、ヨシオもまた自由に応援されるべき存在であるはずだろう。
「ヨシオ」についてまとめ
「ヨシオ」は他の出走馬と比べると、どうしても格下のレベルです。
しかしレースでは、果敢に逃げる姿勢を見せた「ヨシオ」。
出走するだけでもすごいことなのに、ちゃんと見せ場を作ってくれましたね。
「ヨシオ」は7歳、人間で言うと40代後半くらいでしょうか。
競馬から引退する日も近いかもしれません。
「ヨシオ」の成績では、おそらく種牡馬にはなれないでしょう。
しかし、このジャパンカップで一世一代の走りを見せてくれました。
記憶に残る馬であることは、まちがいありません。
…と締めようと思ったら、「ヨシオ」今週末のチャンピオンズカップに連闘で登録していますね(;^ω^)
本気ですか…(*_*)