「オシリス・レックス」は、はやぶさのライバル!小惑星のサンプル採取に成功!

2020年10月21日、アメリカの探査機「オシリス・レックス」が小惑星へのタッチダウンに成功しました。

小惑星の名前は、“ベンヌ”といいます。

 

「オシリス・レックス」“ベンヌ”への挑戦ミッションは、次の二つ。

 

  1. 小惑星ベンヌの地表の岩石サンプルを、少なくても60gは採取すること
  2. 採取したサンプルを、無事に地球に持って帰ってくること

 

宇宙や惑星の成り立ちを知るためには、とても重要なミッションです。

 

採取に成功したとなれば、あとは無事の帰還を祈るばかり

 

今回は、アメリカ小惑星探査機「オシリス・レックス」についてホリサゲます!

「オシリス・レックス」という小惑星探査機

 

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「オシリス・レックス」の旅立ち

「オシリス・レックス」は2016年9月8日、フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から打ち上げられました。

使い捨てロケット・アトラス5「オシリス・レックス」とともに飛び立ったのは、東部時間の午後7時過ぎ。

 

「オシリス・レックス」日本の“はやぶさ”の成功体験を、活かしたものと言われています。

 

“はやぶさ”は世界で初めて、小惑星“イトカワ”から岩石サンプルを持ち帰ったことで知られています。

世界的に見てもこれは偉業であり、アメリカも追いつけ追い越せの思いだったのかもしれません。

 

「オシリス・レックス」は2017年、地球の軌道上に別の小惑星がないかを探査する追加ミッションを遂行。

 

重要な仕事をこなしながら、2018年12月とうとう目的の小惑星“ベンヌ”の上空に達しました。

 

「オシリス・レックス」“ベンヌ”地表サンプルを採取するのが、主たる目的でした。

ただ“ベンヌ”には、地球に衝突する可能性もごくわずかながらあり、その調査をすることも任務だったのです。

米航空宇宙局(NASA)は、直径500メートルを超す巨大小惑星「ベンヌ」が、2135年9月22日に地球に衝突する可能性があると発表した。衝突の可能性は低いものの、衝突した場合の威力は、米国が現在配備している核弾道ミサイル群に匹敵するとしている。

引用元:CNN.co.jp 巨大小惑星、117年後に地球衝突も NASAの対策とは

「オシリス・レックス」が”ベンヌ”に到達してから

2018年12月下旬に、小惑星“ベンヌ”の軌道に乗った「オシリス・レックス」

 

“ベンヌ”の上空10㎞から7㎞まで近づきながら、北極→赤道→南極の順に調査を開始します。

小惑星の質量や自転速度などを予備的に調査し、正確な小惑星のモデルを作成するためでした。

 

その後、“ベンヌ”の周回軌道に入り、表面のごく近くまで接近。

 

サンプル採取のミッション達成のために、最適な地点を見つけることになったのです。

 

ところが、同じようなミッションに成功した“はやぶさ”が調査した“イトカワ”と比べ、“ベンヌ”尖っている部分が多い形状。

地表にトゲトゲが生えているようなものでした。

 

“ベンヌ”は、炭素と有機分子を多く含む始原的なB型小惑星

このタイプの小惑星が探査されることは、世界でも初めて

 

そんな困難を乗り越え「オシリス・レックス」は、サンプル採取地点を4か所に絞りました。

 

2018年12月に“ベンヌ”に到着してから、実に半年以上が経っていたのです。

 

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「オシリス・レックス」がサンプル採取にとりかかるまで

“ベンヌ”は当初、粒子の細かい物質が堆積した、平坦な土地があると予想されていました。

ところが調査してみると、“ベンヌ”はまさに岩だらけの荒れた世界

 

チームの挑戦が始まりました。

 

  • 調査に必要なサンプル物質がある場所
  • 調査に安全なエリア

この二つを見つけることが、チームの最優先課題となりました。

 

そして2019年8月、「オシリス・レックス」がミッションを遂行するにふさわしい地点・4か所を選定します。

それは“ベンヌ”の地表にあるクレーターで、それぞれエジプトに生息する鳥の名前が付けられました。

 

「Nightingale(サヨナキドリ)」

「Kingfisher(カワセミ)」

「Osprey(ミサゴ)」

「Sandpiper(シギ)」

 

そもそも「オシリス・レックス」「ベンヌ」も、エジプトの神様にちなんだもの。

アメリカチームの敬意が感じられますね。

NASAの小惑星探査機「オシリス・レックス」は2018年12月に小惑星「ベンヌ」に到着して以来、ベンヌ全球の地形を観測し、試料採取を安全に行える場所を探してきた。今回選定された4か所の候補地点にはそれぞれ、「Nightingale(サヨナキドリ)」「Kingfisher(カワセミ)」「Osprey(ミサゴ)」「Sandpiper(シギ)」と名付けられている。

引用元:AstroArts オシリス・レックスの着陸候補地点を4か所選定

 

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「オシリス・レックス」いよいよ地表へ

「オシリス・レックス」のサンプル採取場所は”Nightingale”

「オシリス・レックス」のミッション実行地点は、4か所の選定場所の一つ“Nightingale”に決定

 

このクレーターは“ベンヌ”の北半球にあり、「オシリス・レックス」は10月21日午前3時ころ(日本時間)降下を開始。

“Nightingale”のなかに入るように機体が降下すると、ロボットアームを伸ばしました。

 

そのアームの先端をおよそ6秒間に渡って接地させ、砂や岩石のかけらなど60gほどを採取

その後、正常に上昇したということです。

 

日本で採用されたサンプル採取方法は、地表に弾丸を発射して砂などを舞い上がらせるというもの。

 

しかし「オシリス・レックス」では、“TAG-SAM”という装置が使われています。

試料が十分な量でなければ、再び来年1月に別の地点から採取を試みる、とのこと。

機体を回転させて回収装置の重さの変化を調べるなどの方法で、現地で確認できる

“TAG-SAM”ってどんなもの?

「オシリス・レックス」が使った“TAG-SAM”

 

これは正式には、「タッチ・アンド・ゴー標本採取メカニズム」と呼ばれるものです。

 

「オシリス・レックス」には、逆流する掃除機のようなものがついていています。

“TAG-SAM”の先端が地表に接地すると、先端から窒素ガスが噴射され、岩石のかけらを吹き上げる仕組み。

 

それを回収するというものです。

 

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「オシリス・レックス」についてまとめ

「オシリス・レックス」は、2023年9月に地球に帰還の予定

 

一方、日本の“はやぶさ2”も小惑星“リュウグウ”の試料を持って、地球への帰路についています。

 

日本とアメリカがそれぞれ持ち帰る小惑星のサンプルは、新たな発見をもたらすかもしれません。

 

惑星がどのように発展・成長してきたのか、その過程を見るために重要な標本となるでしょう。

 

日米のあいだで、回収した物質を交換して分析するなどの協力関係を結んでいるそうです。

 

でもここへきて、ちょっと気になるニュースが。

「オシリス・レックス」が採取したサンプルが予想外に大きく、一部が漏れ出しているのだとか。

想定した60gをはるかに上回る、400gのサンプルを採取したようです。

NASAによると、探査機から送られた映像でアーム先端の収集機内にサンプルが入っていることが確認されたが、一部が外に漏れ出していることも分かった。サンプルが大き過ぎ、収集機のふたが完全に閉まらなかったとみられている。

引用元:JIJI.COM 米探査機、小惑星のサンプル採取成功 大き過ぎて?一部こぼれる―NASA

多くの困難を乗り越えて手に入れた、“ベンヌ”の体の一部。

 

失ってしまうような事態にならないことを、心から願っています。

 

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