インド洋の島国モーリシャスの沖で、大型貨物船が座礁する事故が起きました。
日本企業がチャーターした船で、人為的な事故だとされ、インド人船長ら2人が地元警察に逮捕されています。
責任問題については、これからの裁判で問われることになります。
ただこの事故では、船体が座礁して壊れ、燃料の重油が漏れ出していることが大問題となっています。
環境への影響は計り知れないものと思われ、現在懸命な調査が行われています。
日本からも、環境省や国立環境研究所などで構成される救助隊が派遣されました。
漏れた重油が生態系に与える影響、そして自然へのダメージがどの程度になるのか。
現地での助言・活動支援などが予定されています。
その救助隊が現地に運び込む、「マジックファイバー」。
事故の影響を受けたモーリシャスの美しい海を救う、救世主となるであろう特殊繊維です。
今回は、この「マジックファイバー」を開発・特許を持つ「エム・テックス」についてホリサゲます。
「エム・テックス」ってどんな会社?
「エム・テックス」のイチオシ
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「エム・テックス株式会社」は東京都大田区にある繊維メーカーです。
ナノファイバーという最先端の化学繊維製品を開発、その技術を活用して大きく成長した企業です。
なかでも「マジックファイバー」という商品は、ナノファイバーの量産化に成功したもの。
高性能な特殊繊維を、安定かつ低コストで生産することができるのは、「エム・テックス」だけです。
これらに優れた特性を持つ「マジックファイバー」は、「エム・テックス」が特許を持っています。
今回この「水ではなく油だけを吸着する性質」が、モーリシャスの事故に対応できるとして救助隊に同行することに。
この吸着材はモーリシャス沖で貨物船が座礁した事故で、大量に流出した油を除去するため、19日、現地に送られたということです。
引用元:NHK「サクサク経済Q&A」
「エム・テックス」のこれまでの社会貢献
実はこの「マジックファイバー」は、過去にも大活躍しています。
2019年8月に起きた佐賀豪雨。
このとき佐賀県大町町で起きた佐賀鉄工所大町工場の油流出事故でも、復旧作業に使われました。
事故発生当時「エム・テックス」は、「マジックファイバー」約181,000を救援物資として提供。
なんと事故が起きた8月28日には社内で物資提供を決定し、翌29日には佐賀県入りして町役場に届けたのです。
そして8月29日から9月4日にかけて、毎日「マジックファイバー」を大町町に移送したのでした。
エム・テックス株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:曽田浩義)は、佐賀県杵島郡大町町で発生した油流出事故に伴い、佐賀県や大町町、防衛省・自衛隊などの協力を得て、下記のとおり、油を回収する「油吸着材」を救援物資としてお届けしております。
引用元:エム・テックス株式会社「<九州北部豪雨>佐賀県大町町の油流出被害に伴う救援物資について」
「マジックファイバー」がモーリシャスの事故現場へ
“油だけを吸い取る”日本製の吸着材 モーリシャスの現場へ #nhk_news https://t.co/m2TjEMEDPN
— NHKニュース (@nhk_news) August 18, 2020
このすばらしい技術の結集「マジックファイバー」が、モーリシャスの海を救うために現地へ。
「油だけを吸着する」、その効果は大きな期待を集めています。
この吸着材はたった20gで1リットルもの油を吸うそうです。
現地モーリシャスでは、原生するマングローブ林での重油除去に時間がかかっているんだとか。
あの入り組んだ根の部分にたまった重油は、そう簡単には除去できるとは思えません。
しかし座礁した船からは今も重油が漏れ続け、環境をもとに戻すには長い時間がかかることは明白です。
そんななかで脚光を浴びた「マジックファイバー」。
一刻も早く重油を回収するため、その力をいかんなく発揮してほしいと思います。
「エム・テックス」についてまとめ
重油が流出したモーリシャスに、成田空港からJICAによる専門家チーム(二次隊)が「油だけを吸い取るマジックファイバー油吸着材」を持って今朝出発!
頑張ってください!!#モーリシャス #油吸着剤
pic.twitter.com/TVDNzaDdyl— Advance World News (@coronatruemovie) August 19, 2020
今回の「マジックファイバー」の移送を受けて、「エム・テックス」竹之下部長は言います。
日本の技術で、何かできないか。
美しい環境のなかでの事故で、現地の人は大変な苦労をされているのではないか、と。
すでに流れ出した重油は、1000トンを超えると言われています。
船に積んでいた燃料が仮にすべて流出すれば、およそ4000トンもの油がモーリシャスの海を汚してしまうことになります。
浅瀬が多い現地は、バキューム方式も難しいとのこと。
また油を中和させる処理剤の使用は、環境への影響が懸念されるため、こちらも困難な作業です。
現地の映像を見るたび、心を痛めている人も多いでしょう。
ぜひ日本の技術で、モーリシャスの美しい海を救っていただきたいと思います。
![]() | 価格:4,199円 |