「アルテミス計画」って何?アルテミス合意に日米など8ヵ国が署名!

2020年10月14日、月探査の基本原則「アルテミス合意」に日米など8ヶ国が署名しました。

 

この「アルテミス合意」とは…。

  • 平和的目的で宇宙活動を行うこと
  • 月で得た資源の所有や利用に関して

などについての、基本的原則です。

 

この合意に署名したのは、アメリカの呼びかけに応じた8ヶ国

日本・カナダ・イギリス・イタリア・オーストラリア・ルクセンブルク・アラブ首長国連邦(UAE)です。

 

そもそもこの合意は、アメリカが中心となって推進する「アルテミス計画」の協定です。

法的拘束力はないものの、国際ルールを定めることは最重要課題でした。

 

それでは、その「アルテミス計画」とはいったいどういうものなのでしょうか。

 

今回は、「アルテミス計画」についてホリサゲます!

「アルテミス計画」っていったい何?

月面着陸はアメリカの威信をかけた一大プロジェクトだった

「アルテミス計画」とは、2024年までに有人月面着陸をめざし、2028年までに月面基地の建設を開始するというもの。

アメリカNASAのプロジェクトであり、日本人が初めて月面に降り立てるのではないかと期待を集めています。

 

そもそもなぜ、月に基地を作り、人を送り込まねばならないのでしょうか。

 

人類が初めて月面に到達したのは、1969年のこと。

”アポロ計画”は世界中の注目を集め、アームストロング船長が月面に降り立ってから4年間継続されました。

 

その間、アメリカは12人の宇宙飛行士を送り出し、宇宙開発の確固たる地位をアメリカは築いたのです。

 

しかし実は1961年、旧ソ連が有人宇宙飛行を実現していました。

 

時は冷戦まっただなか。

 

アメリカが黙っているはずもなく、そのわずか1か月後に当時のケネディ大統領が国民に演説します。

「1960年代が終わる前に、宇宙飛行士を月面に送り、彼らを地上に無事に帰還させる」と。

 

つまり世界で初めて月面に国旗をたてることは、アメリカにとって国の威信をかけたものだったのですね。

自由という大義の下、旧ソ連に先駆けて月面着陸を成功させ、米国の国旗を立てることで、西陣営側の勝利を示すという考えがアポロ計画を大きく変えたのです。

引用元:宙畑 宇宙ビジネス

月面着陸

過去にあった「コンステレーション計画」

2000年代に入り当時のブッシュ大統領は、スペースシャトルの退役に合わせ有人月面ミッション「コンステレーション計画」の実施を明言。

これは国際宇宙ステーションの輸送や月着陸などに、打ち上げ機・宇宙船・着陸機を組みあわせて運用するもの。

 

有人であることはもちろん、様々なミッションに適合しうる宇宙機は、大きな期待を寄せられていました。

 

ところが、2006年からのオバマ政権にかわり、この計画はとん挫します。

 

宇宙開発予算に限りが見え始めていたこと、オバマ大統領が月面着陸に消極的であったこと。

 

それらが要因となってアメリカは、宇宙大国に名乗りを挙げていた中国に覇権を奪われる形になりました。

 

その後トランプ政権となり、再び宇宙開発分野でのリーダーシップを取るべく、「アルテミス計画」が立ち上がったのです。

トランプ大統領

新しい時代の「アルテミス計画」

2017年、アメリカのトランプ大統領が宇宙政策指令第1号に署名しました。

有人月面探査と続く火星探査の実施、これが計画の柱となっています。

 

この計画がのちに「アルテミス計画」と名付けられました。

 

アルテミスとは、ギリシャ神話に登場する月の女神の名前。

アポロの双子とされています。

 

アメリカが1960年代に達成した、かつての偉業になぞらえているのがわかりますね。

 

「アルテミス計画」単なる有人月面着陸のみならず、システムを整備する役目も負っています。

 

  1. 人間が月面に立ち滞在するために、必要な環境を整えること。
  2. 月の探査を、持続的に行えるようにすること。
  3. 火星へのアクセスを行いやすくすること。

 

新しい時代の「アルテミス計画」は、月に着陸すればそれで終わり、ではありません。

「アルテミス計画」は、壮大な3つのミッションで構成されています。

アルテミス

「アルテミス計画」の3つのミッションとは

  • 「アルテミス計画」ミッション1:地球から月まで往来させる無人飛行試験
  • 「アルテミス計画」ミッション2:SLSロケットとオリオン宇宙船の有人飛行試験(打ち上げは2022年予定)
  • 「アルテミス計画」ミッション3:有人月面着陸(2024年予定)

このミッションはアメリカNASAが主導しています。

 

しかし「火星に人類を送る」という最終的な目標達成のためには、民間企業の力が重要です。

 

月面に持続的に滞在し、人間が生活できるような基盤を築く。

そして、長期的目標として火星に到達する。

 

それには国際的なパートナーシップが、重要な役割を果たすことになるのです。

 

月の周回軌道上に構築される予定の宇宙ステーション「月軌道ゲートウェイ」

 

2026年の完成をめざすこの宇宙ステーションは、日本のJAXAトヨタ自動車が共同で研究開発を実施。

また宇宙ステーションの居住部分の建設や物資補給、月面のデータ共有など、日本としての協力内容が発表されました。

「アルテミス計画」についてまとめ

私たちが月に宇宙旅行に行けるようになるのも、もしかするとそう遠くないのかもしれません。

 

今回の「アルテミス合意」の背景にあったものは、国際的なルールの枠組みを作らねばならない必要性です。

それには、国や民間企業による月の探査や、資源利用をうながす意味も込められています。

 

まず環境を整備し、背中を押すねらいがあるのではないでしょうか。

 

月の探査計画にはアメリカはじめ、中国、日本など多くの国が名乗りをあげています。

国際的な取り決めがなければ、各国の衝突が避けられない場面も出てくるでしょう。

 

月には、水があると予想されています。

 

飲料水として使えるだけではなく、分解させることで水素も手に入れることができます。

そのような資源をめぐって、各国がトラブルにならないように。

 

今回の「アルテミス合意」は、宇宙を平和的に利用するためにもっとも大事な取り決めとなるでしょう。

 

ただ、主導したアメリカにとっては、宇宙の覇権を取り戻すねらいもあるかもしれませんね。

月面探査では、中国も昨年1月に難易度の高い月の裏側への無人着陸に世界で初めて成功。軍が深く関与して進出を強化していることから、米国は各国と協調して宇宙空間での探査や資源の取り扱いなどの国際ルールを定めることで、中国を牽制(けんせい)する意図もあるとみられる。

引用元:産經新聞 月探査に国際ルール、日米欧が合意 中国を牽制

 

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