イギリスの映画監督「アラン・パーカー」氏が、亡くなったとのこと。
アメリカアカデミー賞監督賞に二度ノミネートされ、世界的に高い評価を受けていた人です。
パーカー氏が残したものは、誰もが一度は耳にしたことがある名作タイトルばかり。
非凡な才能はイギリス映画界だけではなく、世界中に大きな貢献をしました。
パーカー氏の経歴と代表作品、そして(個人的に)もっとも印象深い作品を紹介します。
今回は、映画監督「アラン・パーカーとその作品たち」についてホリサゲます。
「アラン・パーカー」とは
アラン・パーカー氏は1944年にイギリスで生まれ、のちに映画監督、脚本家、映画プロデューサーとして活躍した人です。
ロンドン出身のパーカー氏は、60年代からコピーライターとして活動していました。
70年に友人であるデヴィッド・パットナム氏が制作した「小さな恋のメロディ」の脚本を手がけたことから、映画の道に。
劇場映画デビュー作品は、76年の「ダウンタウン物語」です。
この作品が大好評を得て、次作「ミッドナイト・エクスプレス」も大成功。
アカデミー賞で6部門にノミネートされます。
そのなかで2部門を受賞、名匠としての地位を確たるものとしました。
その後イギリス映画協会の会長を務め、女王からナイトの爵位も受けます。
テレビ映画の制作も精力的におこない、74年にはBBCのテレビ部門賞を受賞。
パーカー氏は、アカデミー賞監督賞を受賞することはありませんでした。
しかし世に送り出した作品は、アカデミー賞とゴールデングローブ賞をそれぞれ10回受賞しています。
5人の子ども、7人の孫がいるとのことですが、近年は闘病生活を送っていました。
そして惜しまれながら、2020年7月、76歳でこの世を去りました。
「アラン・パーカー」の代表作は
#ミッドナイト・エクスプレス
米国人旅行者ビリーは麻薬不法所持の罪でトルコ刑務所に投獄される。地獄の様な日々を送る中、裁判のやり直しで4年の刑期が30年になってしまい…。実話ベース。自業自得とは言え悲惨過ぎる。あんな獄中生活、廃人なる…。裁判所での訴えや面会のシーンが痛い程響いた…😣 pic.twitter.com/6IWmD4vqD4— coco_movie (@coco_movie) March 4, 2020
ミッドナイト・エクスプレス
アメリカ人旅行者のビリー。
トルコで麻薬所持と密輸の罪でつかまり、投獄されることに。
4年の刑期だったはずが、裁判のやり直しで30年に延びてしまう。
刑務所の仲間から、「ここに入ったら半病人になるか、脱獄するか、だ」と言われ、脱獄を決意する。
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アランパーカ監督のフェーム。
親にお小遣い貰ってサントラ買ったよ。
「こんな世界が有るんだ!」ってときめきと興奮。
今思えばその後の自分の人生の方向になった気がする。
ありがとう。 pic.twitter.com/8ve0ghPXZr— 直也 (@e912fa7b863d4a5) July 31, 2020
フェーム
ニューヨークの音楽専門学校を舞台に、パワーを爆発させる若者たちを描いた青春映画。
複数の生徒たちそれぞれにエピソードがあり、軌跡を追っていく。
熱いダンスのシーンは、圧巻の一言。
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今日の映画紹介
スタッフ れみ🎶
『エビータ』🇺🇸/1996年/135分
アルゼンチンの田舎娘として生まれながら、野心と美貌を武器に大統領夫人にまで上り詰めたエヴァ・ペロンの人生を、『オペラ座の怪人』のアンドリューロイドウェーバー作曲のミュージカルで綴った作品
とにかく曲が良いから観て欲しい! pic.twitter.com/ov52lfCSw9— Cafe&Bar BIG FISH@リニューアルオープン!! (@BIGFISH_koenji) August 3, 2020
エビータ
アルゼンチンの貧しい家庭に生まれたエバ。
女優になるという野望をもち、ブエノスアイレスに上京するも芽は出ず。
あるカメラマンの愛人となり、そこから地位の高い男に乗り換えながら次第にのし上がっていく。
そして、とうとうファーストレディの名誉を手に入れるのだが…。
主人公を演じたマドンナの演技力と歌唱力が、大きな注目を集めた。
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ふと思い立って10年ぶりくらいに「ライフオブデビットゲイル」を見直したんだけど、これまで何百と映画を見てきた中でもこの作品は別格で一度観たら一生忘れられない作品やなと改めて感じた。良くも悪くも軽くトラウマになるレベル。あと、若かりし頃のケヴィンスパイシーの存在感が途方も無い。 pic.twitter.com/y709x83xOH
— みろく (@eigatodorama5) May 19, 2018
ライフ・オブ・デビッド・ゲイル
婦女暴行殺人の罪で、死刑が確定した死刑制度反対論者の男。
彼に指名され、最後の4日間を取材することになった女性ジャーナリストがたどりつく真相とは。
真実とは何かを問う、社会派サスペンス作品。
2003年に公開されたこの作品が、パーカー氏の最後の映画となった。
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「アラン・パーカー」の作風
パーカー氏の代表作「フェーム」からもわかるように、彼は「映像と音楽の達人」と言えます。
社会派ヒューマンドラマも得意なパーカー氏ですが、やはり音楽がカギとなる作品が多いです。
映像の美しさと音楽の盛り上がりが一体となって、見る人の高揚感を高めていく。
その洗練された手法は、パーカー氏ならではのもの。
並ぶものがいない「映像+音楽」の才能。
それは、パーカー氏が手がけた最初の作品「小さな恋のメロディ」に原点があるのでは、と感じます。
「アラン・パーカー」のもっとも印象深い作品
アラン・パーカー、好きな監督だったなぁ〜
チャーミングな作品から小難しい作品まで、どれもアクは強いのに変な作家性に囚われる事もなく、どれ見ても結果おもろい!んだよなー
まぁ、『エンゼル・ハート』には度肝抜かれましたよ。 pic.twitter.com/3ljcppHeS7— ドルフィーニ・エレクトリコ (@ElectolPhin_4D) July 31, 2020
個人的な意見ですが、パーカー氏のもっとも印象深い作品は「エンゼル・ハート」だと思います。
「小さな恋のメロディ」や「フェーム」からは想像できないような、どす黒さ。
しかしホラーでありオカルトでもありながら、やはりその映像美に目を奪われます。
もう30年以上前の作品ですが、今見ても、スタイリッシュな仕上がりで古さは感じさせません。
当時、劇場で観た人はかなりの衝撃を受けたのではないでしょうか。
そして映像からわき上がってくる、言いようもない理不尽さと不安感。
主演のミッキー・ロークとロバート・デ・ニーロの色気とあいまって、ダークでありながら美しいのです。
「人間には、知ってはならないことがある」
この作品のキャッチコピーです。
しかし人は、「過去に何をしたか、知らなくてはいけない」のだと思います。
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「アラン・パーカー」まとめ
「エビータ」にパーカー氏とともに制作にたずさわったアンドリュー・ロイド・ウェバー氏は言います。
「映画の音楽を真に理解していた数少ない監督の1人だった」と。
パーカー氏を知る人たちはすべて、彼の才能に畏怖の念を抱いていました。
Very sad to hear the news of Alan Parker’s death. My friend and collaborator on the Evita movie and one of the few directors to truly understand musicals on screen. – ALW
— Andrew Lloyd Webber (@OfficialALW) July 31, 2020
人間の心を深く抉る感覚を表現できる人、アラン・パーカー監督。
早く逝ってしまわれたのが、残念でなりません。
どうか安らかに、そしてお疲れ様でした。